休日に

風邪を引いてしまった。

朝起きて喉に違和感を覚えたけど、その日は元気に仕事していた。

翌朝になるとだるくてさらに喉が痛くなっていて、まずいなーと熱を測ると平熱よりやや高かった。

その日は午前中同僚が休みを取っており急な病欠は厳しかったので午前中はがんばって身体を縦にして対応していた。

昼になると熱は38℃。目を開けているのが厳しいほど頭も痛かった。

そそくさと休みます連絡を入れて布団へ。

 

検査の結果コロナウィルスにもインフルエンザにも罹患しておらずほっとした。けど普通の風邪で38℃まで出ることは経験上なかったので少なからず不安は大きかった。喉痛いし横になると咳き込んでしまいなかなか寝付けない。

 

今日はこんなにお出かけ日和なのに、家にいることがむなしく、風邪を引いてしまった己の身体が情け無い。

 

せめて気持ちを明るく立て直そうと、余っていたホットケーキミックスにヨーグルトとバナナをつぶして焼いた。

ベランダにアウトドアチェアを出して、嬉しそうに寝転がる猫の姿を眺めながら食べた。とても美味しい。

 

休日に体調悪くても出掛けられなくても出来る範囲で自分を喜ばせたい。今日は正解の行為が出来た。

休日の朝は

近所を散歩している。疲れない程度に1時間くらい。行き先は決めない。何となくの方角だけ決めたら、あとはその場の流れに身を任せてぐんぐん歩く。こっちは日陰がないからあっちに曲がろうとか、猫がいそうな細道を見つけたら静かに進んでいくとか。好んで行きがちな道は、曲がっていてその先がどんな風景になっているのかすぐには見えない道。まっすぐな道は面白くない、展開が読めてしまうから。あとは似たような理由で、緩やかな勾配になっている道も好きだ。上った先がどんな景色なのか、上らないとわからないから。

住んでいる地域は勾配が多い。坂ってほどではないけど、まっすぐな地形の上に建てられた街じゃないんだろう。生まれ育った街が平坦な地形だったから、その差も面白い。

 

決めているのは、歩道橋を見つけたら上ること。運動不足になりがちな今、無理なく少しでも負荷をかけたくなるのである。今まで横断歩道がある場所で、わざわざ歩道橋をのぼることはまずなかった。上ってみると視界が変わって案外と気持ちの良いものだったりする。

 

自宅から少し歩くと立派なお宅が立ち並んでいて、建物好きとして興味をそそられる。壁の色、窓の形、色とりどりの草花、表札に彫られた苗字のフォント。猫の姿を見かけたらラッキーだ。

 

もう今の街に暮らして10年近くなるけれど、まだまだこんなにも通ったことのない道であふれていることに驚く。今まで旅先で知らない街を歩くのが好きだなんて思っていたけれど、わざわざ遠出しなくても自宅から半径5キロ圏内だけでも知らない場所ばかりで飽きずに楽しめる。

そのことに気づけて良かった。

 

 

昼休み

西伊豆にひとりで暮らす祖母に電話をかけた。コール音が続く。耳が遠かったり動作がゆっくりになっている祖母が電話に出るまでは時間がかかるだろうと、長くコールし続けた。どうせ急ぐ用事もないのだ。

 

何十コール目かでもしもし?と祖母のゆったりした声が聞こえて、わたしだよーと名前を伝えると、あら!聞いたことある声だねえとすぐにうれしそうなまあるい声が返ってきた。

 

ちょうど近所の中華屋で、焼きそばを買って帰ってきたところだったという。わたしの大好物でもある、あの店の焼きそば。具はキャベツのみというおそろしくシンプルなのに、どういうわけだか箸が止まらない美味しさなんだ。子どもの頃から大好き。いいなあ、わたしも食べたいな。

 

◯◯ちゃんは頑張り屋さんだからねえ、無理しないでね。と言ってくれた。ばあちゃんは昔っからそうだ。頑張り屋さんだってずっと言い続けてくれている。どうしてそう言えるんだ。一緒に暮らしているわけでもない、話をしたのだって久しぶり。最後に会ったのは4年も前だ。

 

そんな風に言ってもらえるような人間なんだろうか。ちゃんと頑張れているだろうか。無条件の祖母の愛情がおおきくてあたたかくて、涙が出た。

 

今は会いにいけないけど、落ち着いたら会いにいくから、それまで元気でいてね。と伝えて電話は終わった。5分にも満たない出来事。こんな短い時間であたたかくなれるんだ。どうして今まで電話しなかったんだろう。

 

祖母が思ってたより元気そうな声をしていたこと、今会いにいけないこと、頑張り屋さんと言ってもらえたこと。色んな想いに浸って、すぐに仕事に戻る気にはなれなかった。

はじめることにした

3日働いたら1日休みという輪番体制になって1か月経つ。

 

元々休日にやることといったら、踊りの練習、ライブや演劇、銭湯サウナ、図書館くらいが相場だったのだが、それらはすっかり遠い日々になってしまった。チケット取っていたライブや舞台が軒並み中止になっていった時期はかなしかったけれど、落ち込んだのは数日。4月を越えて今では家にいなさいとされる期間をかなり受け入れていて、楽しんですらいる。

 

本を読んで人のブログ読んで…としていたら、時間はたっぷりあるんだし、久しぶりにブログ書こうという気になった。

 

別にあれについて書こうとか、こういうブログにしようとか、明確な指針があるわけではない。ただ自分の中で何かを決めて始めてみること、その瞬間はいつもわくわくする。そしてそのわくわくが自分をどんな景色に連れていってくれるのか、それが見たくて、始めてみるだけ。